2016年3月23日水曜日

第3回 「試験用 経済学」による雇用拡大の時代。

日本は戦後の状況から回復するために、産業重視の政策を行ってきましたが、70年代に入り、通商重視へと社会構造が変化してきます。

それまでは多少の法律の知識がある人がいれば済んでいたことも、通商、つまり取引量が増えると、相当な数の税理士、公認会計士などの士業、国家公務員でも国税専門官や外交官などの専門職が必要になっていきます。
そこで、経済学部出身者以外の人たちが経済学の試験を受けて、経済系の役人や有資格者として取引の円滑に関与するようになっていきました。

そして、80年代、中谷巌『入門マクロ経済学』はそれまで経済学をまったく学んだことが無かった人たちに、広く経済学を身につけるチャンスを与えた代表的な1冊となりました。


 まったく知識の無い人を短期に合格させて雇用を促進させるという動きは、こうした書籍ばかりではなく、予備校も大流行時代が到来することになります。

 例えば、LECやTACがなかった時代、公認会計士の予備校では東京CPA専門学校が有名で、少しずつ予備校のスタイルやノウハウが形成されていくきっかけになります。(当時は、大原ではなく、東京CPA専門学校に時代の風雲児が集まった。ポストに投函された広告チラシも凄かった。)