2017年3月7日火曜日

日本の電車に全く乗れないという外国人

 外国人から、どこどこに行きたいので教えてほしいと言われた時、ほとんどの日本人は乗り場を教えるでしょう。
それで行ける人と、それではまったく行けない外国人がいます。

 日本のシステムの場合、最終目的地とその順路がおおよそパターン化されているので、事前に学習しておく必要があります。つまり、100%の到達を余儀なくされるのです。
国によっては、ローカルの交通機関とは、とりあえず乗ってみて、そこから誰かに聞いてみるとか、間違ったら逆に乗ればいいんだとか、成功率が30%くらいあれば良しといった、結構デタラメなものだったりします。(人の話をまったく聞かないという人とか平気でいるし)

このデタラメ度が日本のシステムにないことは長所でも短所でもあるのです。

 1996年ニューヨークは大寒波に襲われ、交通機関がマヒした時、やはり空港で立ち往生して誰かの助けを待っていたのは日本人ばかりでした。緊急時に弱いのです。(当時はNYCの旅行者は日本人ばかりでもありましたが。)

 「空港閉鎖」、「交通機関はすべて運休」という放送は本当でしょうか?、空港が閉鎖されても、やはり労働者がわずかでもいる以上、必ず彼らの交通機関であるローカルバスが、たとえ大雪でも動いているはず(空港直発着ではなく、空港付近にバス停がある)。そして、方向さえわかれば、このローカルバスを乗り継げばダウンタウンに行けるはずだと、多くの外国人はそう考えます。パターン化されていない論点に多くの日本人が対応できないのです。

 バスが動いている以上、とりあえずそれに乗れば何とかなるだろう、、そういうあいまいな世界で生きている人が実は世界には多く、非常事態が起きても普段と変わらない行動をします。逆に日本人の多くは理解に時間がかかる外国のバスが苦手という人も多いでしょう(乗っている人はそもそも理解しようとなんて思っていない)。

 日本の電車に全く乗れないという外国人、それはニューヨークのバスにまったく乗れないという日本人と真逆であって、どちらもリスクを背負っています。

 ちなみに、バスは英語圏、ロンドン、NYC、香港、インドの大都市あたりで修業すると、少し世界が広がります。(「なんかこのバス、そっちの方向に行きそうじゃない?」「とりあえず、乗ってみるか」という雰囲気です。)言い方を変えれば、ここから「英語」の学習がスタートするのです。

 交通機関=方向で生活している外国人には日本の電車に乗れないのです。